小説なんて書けるかなぁ

全てフィクションです。

懺悔

久しぶりに文章を書かせていただきたいと思います。

 

ブログは大学生以来ですが、

学生時代には、とてもお世話になりました。

 

私は、学生の頃、あるアルバイトに従事していました。

 

それは人間の汚い部分をたくさん見ざるを得ないものでしたが、今になって振り返りますと普通の生活の有り難みを感じさせてくれるものだった気もします。

 

しかしながら当時の私は、この業種の女性にありがちな、表現し難い嫌悪感や罪悪感を例に漏れずに持て余していました。

 

当時はブログが流行り始めた頃でした。私はもちろん非公開設定にした上で、そこに乱暴な言葉を書き連ねました。それはアルバイトで相手をすべき男性達への怒りだけではなく、気が付いてくれない身近な人への苛立ち、何も知らずに普通の生活を送る同世代の友人達への妬みが形になったものでした。

 

それは大学3年の頃でした。

きっかけはここには記述しませんが、いずれ告白したいと思います

私がその手のアルバイトを始めて最初の指名が入った時、スタッフが待合室の薄い仕切りを叩きました。

私は指名を待つ間、自分が何をしようとしているか忘れるために、公務員試験の勉強に励んでおりました。

恐る恐る顔を上げて返事をしますと、カーテンが開かれ、首に入れ墨のある男性スタッフが笑みを浮かべておりました。(彼は渡邊さんといい、これ以降私のお世話をしてくれるようになります。)

「お邪魔してすみません。初めてのお客様です。おめでとうございます。」

そして、念を押すように続けました。

「小夜さんにとって、一生忘れられない経験になります。怖いことがあったり、嫌なことをされたら必ず直ぐに電話して下さい。」

私は黙って頷きました。

 

目隠し、消毒液、コンドームの入ったポーチと客が指定した衣装を渡され、それらを手提げ袋に入れて隣のホテルへと向かいました。

事前に説明された通り、受付には50代くらいの笑顔の女性が待っており、部屋番号を伝えてきます。

203号室。それが初めての部屋であり、それからも度々使うようになる場所でした。

 

ドアの前に立ち、一通り躊躇した後、呼び鈴を鳴らしました。

ドアを開けたのは、髪の毛が薄く癖毛で、眉毛だけが黒々と太い痩せ型の男性でした。スーツを着ていて、一見普通のサラリーマンに見えますが、目がギョロギョロとしていて、笑った時に見える犬歯に鳥肌が立ちました。

彼はその顔に薄ら笑いを浮かべて、私の足元から上へとゆっくりと視線を移してから、部屋の中へと手招きしました。

 

(次へ続く)